Well-being blog

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アフターコロナを生き抜く術

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森永卓郎さんの『年収200万円でもたのしく暮らせます コロナ恐慌を生き抜く経済学』を読みました。 

この本がなぜ200万円といっているのでしょうか。著者は2003年に出版したときに『年収300万円時代を生き抜く経済学』で年収300万円で生き抜く術を謳っています。本書は、コロナによる経済低迷でさらに年収が200万円に減ることが想定され、よりコストを抑えた生活方式が必要になること、そのための新たな生き抜く術を述べています。

 

私は、最近なぜコロナは起こりどんな意味があるんだろうと漠然と思ってたのですが、著者はこのように述べていました。

この戦後最大の危機は起こるべくして起こったとも言えます。私はコロナ・ショックは行き過ぎたグローバル資本主義への警告ではないかと思えるからです。

著者は行き過ぎたグローバル資本主義として下記の4つを挙げています。

  1. 国際間移動の爆発的な拡大
  2. サプライチェーンの問題
  3. バブルの崩壊
  4. 大都市一極集中

感染が爆破的に拡大したのは大勢の人が国家を超えて移動できるようになったからです。中国に工場が移転し、今回その中国がロックダウンをしたことで物流が滞りました。東京に一極集中していることで、東京の経済が滞ると日本全体の経済に大きな打撃があります(他国では、政治、経済、文化に都市を区分けしています)。この3つは自分で理解していました。

ただ、#3のバブルの崩壊について、著者は「著者は近年株価のバブルが続いていただけで、新型コロナウイルスが発生しなくても株価の暴落は生じただろう」と言っており目からうろこでした。てっきりコロナが原因で株価が下がったのだろうと思っていましたが、近年の株価状況は「資本主義が生み出したバブルだった」ということなのだそうです。

 

この本の結論として著者は、この時代を生き抜くために「トカイナカ」(都会と田舎の中間)での居住や自給自足の暮らしを推奨しています。東京郊外に住む、という地方移住とはまた違うコンセプトで面白いです。

また、「もっと好きなことをしていこう」という主張はいろんなところで語られていますが、好きなことを無理やりマネタイズするのではなく、趣味はお金にならないと割り切り、その分自給自足や節約などで乗り切る、という点もこの著者独特で面白いです。

 

東京直下型地震の可能性や日本政府への主張など、人によっては少々強めの主張もありますが、最悪のシナリオを考えてアフターコロナを生き抜く術を練るには参考になります。