「悩む」のではなくて「考えよう」
昨日の紹介書籍に「悩む時間があったら行動すること」の大事さが述べられておりますが、「悩む」とはどんな状態をいうのでしょう。
この質問に明確に答えてくれる本がありました。安宅和人さんの『イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」』です。
安宅さんは、冒頭で「悩む」ことと「考える」ことの違いを明確に述べられています。
「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに考えるふりをすること
「考える」=「答えが出る」という前提のもとに建設的に考えを組み立てること
このように比較すると、「悩む」ことがいかにメリットのないことかがわかります。
さらには、
恋人や家族友人といった「もはや答えが出る。出ない」というよりも深い続けること自体に価値があるという類の問題を別にすれば悩む事には一切意味がないと思っている。
とあり、中には「悩む」意味をなさないこともある、と理解しておくとますます「悩む」ことへの労力や時間を減らすことができそうです。
安宅さんは、 「本当に今答えを出す価値のあるものは何か」(ここでは「イシュー」)に注力すること、そして「イシューを言葉に落とす」ことの必要性を述べられています。
なぜ、イシューを言葉に落とす必要があるかというと、世の中は二つのタイプに二分されるのですが、言語化しないと両方の意思疎通ができないそうです。
世の中の人には、「ビジュアル思考型」(視覚的なイメージから考えるタイプ)と「言語志向型」(言語から考えるタイプ)に二分される。
ビジュアル思考型が自分が取り組もうとしているイシューを言語化しないと、チームの生産性が大きく下がる。
安宅さんの知性と知識が詰まった一冊です。